スイスの高級時計ブランド「フランク ミュラー」を所有する喜びを末長く味わうためには、適切なタイミングでの修理やオーバーホール(分解掃除)が欠かせません。これから一生モノの時計として購入を検討されている方にとっても、購入後の維持費やアフターケアの体制は事前に把握しておきたい重要な要素です。
本記事では、フランク ミュラー正規取扱店で20年以上の販売・サポート経験を持つ筆者が、正規メンテナンスの基本料金、精緻を極めるオーバーホールの全貌、そして「並行輸入品や中古品の修理規定」に関する注意点を詳しく解説します。
※記事内に記載している料金体系は2026年9月現在の税込基準です。
※実際の費用やサービス内容はメーカーの規定により改定される場合があります。
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目次
フランク ミュラー正規取扱店での購入が推奨される理由:並行品 中古品のアフターケア制限
フランク ミュラーの時計を購入する際、価格や品揃えだけで店舗を選ぶと後悔する可能性があります。それは、ブランドの日本総代理店が定める厳格なアフターケア規定が存在するためです。
日本の公式カスタマーサービスで修理を受けられるのは、原則として「日本国内の正規取扱店舗にて購入された時計」のみに限定されています。以下に該当する製品は、正規メンテナンスの受付対象外となります。
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並行輸入業者を経由して販売された新品
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一般の中古時計店で購入した製品(メーカー認定中古時計「PAW」を除く)
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海外の店舗で購入した製品(※所定の条件をクリアした場合のみ受付可能なケースあり)
このサポート体制の違いを把握せずに安価な並行輸入品などを選んでしまうと、いざトラブルが起きた際にメーカーによる正規修理を断られてしまうリスクがあります。大切な資産を守るためにも、購入元は慎重に見極める必要があります。
独自のメンテナンス規定が設けられている背景

なぜフランク ミュラーは、他ブランドと比較してもこれほど厳密に「国内正規品」を優遇するのでしょうか。そこには、輸入元であるワールド通商株式会社の顧客第一主義が反映されています。
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正規品オーナーへの還元: 国内の工房設備や純正部品のストックは、正規の価格で製品をご購入いただいたお客様の時計を最優先で守るために用意されています。
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偽造品トラブルの排除: 昨今は精巧なコピー品が市場に紛れ込んでおり、あらゆる持ち込み個体に対応すると真贋判定に膨大なリソースを奪われ、本来の正規品オーナーへの対応が遅れる原因となります。
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品質の担保: 来歴が不明な中古品や並行品は、過去に非正規のパーツで改造されているリスクがあり、メーカーが誇る品質基準での修理を保証しきれないという事情があります。

複雑な機構と独創的なデザインを併せ持つフランク ミュラーだからこそ、自社の正規品オーナーへ最高水準のサービスを提供し続けるための「ブランドの責任」がこの規定に表れています。
保証書(ギャランティ)がお手元にない場合の対応
もし「間違いなく日本の正規店で購入したものの、国際保証書や販売証明書を紛失してしまった」という場合はどうなるのでしょうか。
結論から言えば、販売履歴が確認できれば修理は可能です。購入した店舗へ連絡し、時計本体に刻印されたシリアルナンバーを照会することで国内正規品であるという証明ができれば、通常通り正規メンテナンスの受付が可能です。
非正規品(並行輸入・海外購入など)の修理依頼先
すでに正規販売店以外で時計を購入されており、不具合が生じてしまった場合は、以下の手順で対応を検討してください。
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カスタマーセンターへの確認
海外の正規ブティックで購入した時計や、譲渡品で出処が不明な場合は、まずフランク ミュラーの正規窓口へ連絡し、サポート対象になるかどうかの確認を行ってください。
・フリーダイヤル:0120-090-617
・有料ダイヤル:03-3549-3022
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購入元ショップへの相談
並行輸入品や中古品を扱う店舗では、自社で提携している修理工房での保証サービスを設けている場合があります。まずは購入したショップへ修理の相談を持ちかけてみてください。
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時計修理専門会社への依頼
国内には時計修理技術を持つ独立系の時計修理専門店が多数あります。ただし、フランク ミュラー特有の複雑機構や特殊ケースの研磨は難易度が高く、業者によっては断られるケースもあるため、事前の問い合わせが必須です。
フランク ミュラー正規メンテナンス|オーバーホールの参考基本料金
正規カスタマーで提供されている主なメンテナンスの基本料金は以下の通りです。モデルの仕様によって金額は変動します。
| メンテナンスの種類 | 対象モデル・素材 | 料金(税込) |
| 電池交換 | クォーツ全般 | 13,200円 |
| 外装仕上げ(磨き) | ステンレススチール | 44,000円 |
| ゴールド(金無垢) | 61,600円 | |
| プラチナ | 79,200円 | |
| オーバーホール | クォーツ | 66,000円 |
| 手巻き(スタンダード) | 99,000円 | |
| 自動巻き(スタンダード) | 115,500円 | |
| 多機能モデル①(※1) | 121,000円 | |
| 多機能モデル②(※2) | 145,200円~ | |
| 多機能モデル③(※3) | 167,200円~ |
※1 多機能モデル①:GMT、ムーンフェイズ、ポインターデイト、パワーリザーブ等
※2 多機能モデル②:クロノグラフ、マスターバンカー、クレイジーアワーズ、ヴェガス等
※3 多機能モデル③:シークレットアワーズ、トータリークレイジー等
※オーバーホールの基本料金には、外装の研磨仕上げ作業も含まれています。詳細な見積もりは店頭にてご確認ください。
国内完結を実現。フランク ミュラーの熟練技術者によるオーバーホールの全貌
高級時計業界では、少しでも複雑な機構を搭載した時計は「スイス本国での修理対応」となり、手元に戻るまで半年以上を要するのが一般的です。しかしフランク ミュラーは、国内のテクニカルセンターにあらゆるユニークピースを修理できる設備とトップクラスの時計師を配置し、すべての工程を日本国内で完結させています。
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徹底したパーツの分解
ムーブメントを構成する微小な部品をすべて解体します。一般的な工房ではリスクを避けて手を出さない「香箱(動力源であるゼンマイを収めたケース)」の内部まで完全に分解し、劣化状態を確認します。
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ケースの研磨(ポリッシュ)
オーバーホールには外装仕上げが含まれます(傷を残す希望がある場合を除く)。フランク ミュラーを象徴するトノウ型などの三次元曲面を崩さぬよう、熟練の職人が手作業で本来の輝きを取り戻します。
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再組み立てと注油、パーツ製作
洗浄を終えたパーツを組み上げながら、摩擦が生じるポイントへ最適な粘度の潤滑油を適量さしていきます。スイス本国に部品の在庫がないヴィンテージモデル等の場合、日本の工房内にある工作機械を駆使して技術者が自らパーツを削り出すことも可能です。
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最終の精度チェック
組み上がった時計は、人間の腕の動きを模したワインディングマシーンにセットされます。数日間に及ぶランニングテストを実施し、メーカー基準の精度が安定して出ていることを確認したうえで納品されます。
まとめ:フランク ミュラー正規店ならではのアフターサービスで時計の価値を守る
フランク ミュラーの修理体制を紐解くと、以下の3つの特徴が見えてきます。
- 「正規品をお選びいただいたお客様を最優先する」という、徹底したポリシー
- いかなる複雑機構の修理も国内で完結させる、スイス本国に認められた高い技術レベル
- ネジ1本、ゼンマイまでバラしてチェックする、妥協なきオーバーホール品質
徹底したオーバーホールの品質と、複雑機構であっても日本国内で対応できる技術力。
「修理を依頼されたお客様を、必要以上にお待たせしたくない」
フランク ミュラーの技術者の根底にある哲学は、オーナーにとって何よりの安心材料となるはずです。
フランク ミュラー ウォッチの正規取扱店であり、国内有数の品揃えを誇る「ブルージュ一真堂」では、ご購入後の定期メンテナンスや不意のトラブルに関するご相談を随時承っております。お持ちの時計のコンディションチェックなど、どうぞお気軽に店頭スタッフまでお声がけください。
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