「PROSPEX(プロスペックス)」は、SEIKOの歴史を語る上で欠かせないシリーズです。
SEIKO「PROSPEX(プロスペックス)」は、機能やデザインがそれぞれ異なる4つで構成されています。
その4つは、「マリンマスター」、「ダイバースキューバ」、「スピードタイマー」、「アスピ二スト」であり、多彩なフィールドに対応し、以下のように分けられます。
・ダイバーズウォッチ…「ダイバースキューバ」「マリンマスター」
・計器…「スピードタイマー」
・登山…「アルピニスト」

時計の歴史に名を刻む「PROSPEX(プロスペックス)」で、それぞれのシリーズの成り立ちや特徴を詳しく説明します。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
SEIKO「プロスペックス」の由来
国産初のダイバーズウォッチを始めとするスポーツウォッチブランドの「プロスペックス」。
SEIKOは常に前に進み続けるすべての人々を応援したい。
挑戦する人の心を鼓舞する「プロ仕様」の「スペック」を備えた時計であり続けたいという願いを込めて、「プロスペックス」の名前がつけられました。

では、「プロスペックス」のシリーズごとに、歴史と特徴について深堀りしていきます。
海を楽しむ「ダイバースキューバ(Diver Scuba)」
ダイバースキューバの歴史
国産初のダイバーズウォッチが1965年に発売されました。
当時発売された時計を「150mダイバーズ」と名付けられました。「150mダイバーズ」は自動巻きで、150m防水仕様でした。
1966年から4回にわたって南極観測隊越冬隊員の装備品として、寄贈されました。
その後も多くの冒険家、探検家によって北極、南極、エベレストなど地球のあらゆる過酷な環境下で使用され、プロから絶大な信頼を獲得します。

「150mダイバーズ」の開発で生み出された耐衝撃性や防水性などの新技術が、1968年の「300mダイバーズ」へ受け継がれます。
「300mダイバーズ」では、調速機構の振動数を高め、高精度を実現した自動巻きムーブメントに手巻き機能を搭載。
装着時から確実な動作を保証した国産初のメカニカルビート(10振動)で、防水性能が300mに向上。

有名なエピソードとして1970年に、日本山岳会の植村直己と松浦輝夫がエベレスト登頂に「300mダイバーズ」を使用。
過酷な環境でも耐えられ、「300mダイバーズ」は堅牢性が証明されました。
その後も、SEIKOダイバーズウォッチは改良を重ね続け、1970年代と1980年代にも新たなダイバーズウォッチが登場し続けます。
1990年代に入り、海を楽しむためのカジュアルなダイバーズウォッチのシリーズとして「ダイバースキューバ(Diver Scuba)」の名称が使用されるようになりました。

そして、1990年に発売した「スキューバマスター」は、水深センサーと水分感知センサーを搭載。
安全なダイビングのために最も重要な”潜水時間と水深”に関するデータを自動的に計測、表示、記録し、さらに潜水中の危険防止指示を行なうこともできるダイバーズウォッチが登場しました。

SEIKOはダイバーズウォッチの開発を契機に、信頼性や耐久性を第一に追求した技術力が磨かれ、現代の時計にも活かされます。
ダイバースキューバの特徴
ダイバースキューバは、200mまたは300m防水性能で通常のスキューバダイビング(空気潜水)を行う上で十分な機能を備えています。

水中での時刻判読性を高めるための形状の異なる時分針や、暗所での視認性を確保し、潜水経過時間を計測する逆回転防止ベゼルなど、ダイビングに必要な機能が搭載。
【ダイバースキューバ 代表モデル】
・自動巻き

ダイバースキューバは、フォーマルや日常使いもできるデザインが魅力的なダイバーズウォッチです。
カジュアルに身に着けられる一本として幅広い層に支持されています。
プロフェッショナルダイバーの頂点「マリンマスター(Marine master)」
マリンマスターの歴史
マリンマスターは、ダイバーズウォッチのなかでも圧倒的なスペックを誇ることから名づけられました。
転機は1968年に広島県に住むプロフェッショナルダイバーからSEIKOに届けられた一通の手紙でした。
手紙の内容には、「水深350mの海底で一週間にわたる作業に耐えられるダイバーズウォッチが、今の世の中にはない。」と、機能性の低さを指摘されました。
SEIKOは、この要望に応えるべく研究を始め、多くの実験・試作を繰り返しました。
ついに、長時間に渡る飽和潜水に耐え得る安全性と600m防水を達成し、世界で初めてチタン素材を採用した「プロフェッショナルダイバー600m」を1975年に完成させたのでした。

1978年に、世界初のクォーツ式飽和潜水仕様の600m防水ダイバーズ誕生します。
世界初のクオーツ式飽和潜水仕様の600m防水ダイバーズモデル。
1983年海洋科学技術センター(現在の海洋研究開発機構)の潜水調査船「しんかい2000」により、水深1062mの環境に耐えられることも実証されました。

1986年、世界で初めてセラミック素材をケースの外胴(プロテクター)に用いた時計を開発。
世界最高レベルの気密性・水密性を持った飽和潜水仕様の深海潜水用ウォッチを商品化しました。

軽量で耐食性が高く、高い強度を持つセラミックとチタンを組み合わせた素材です。
2000年には、ダイビングコンピュータウォッチ「マリーンマスター ダイビングコンピュータ」を発売。

潜水プロファイルを刻々と記録し、ダイビング仕様としたダイバーズウォッチ。
優れた視認性や充実したログデータメモリー機能を備えているだけでなく、注目されていた「ナイトロックスダイビング(酸素の混合割合を高めた空気ボンベを使用するダイビングシステム)」に、いち早く対応しています。
「マリーンマスター」という名称のモデル自体は、1965年の初代ダイバーズウォッチのデザインを継承しつつ、現代的な技術を取り入れて2000年代初頭に登場したのでした。
マリンマスターの特徴
1000m飽和潜水仕様や独自のモノブロックケースを搭載した、本格プロフェッショナルのダイバーズウォッチ。
セイコーダイバーズのフラッグシップシリーズです。
ダイバーズウォッチ専用に設計された堅牢で安定した精度のムーブメントを搭載しています。
過酷な環境に耐えるタフネスと高精度を兼ね備え、SEIKOダイバーズの最高峰の時計に位置付けられています。

【マリンマスター 代表モデル】
・自動巻き

マリンマスターは高い堅牢性から深海での使用にとどまらず、北極、南極、エベレストなど地球上のあらゆる過酷な環境下で使用が可能。
今もなお、世界中のプロフェッショナルダイバーや多くの冒険家のパートナーとして、高い評価と信頼を獲得し続けています。

スポーツウォッチの伝統を継承する「スピードタイマー(Speed timer)」
スピードタイマーの歴史
スピードタイマーは、正確な時を計る精度を追求したシリーズで、セイコークロノグラフの象徴です。
1964年に東京で開催された国際的なスポーツ競技大会で、セイコーは高精度なストップウォッチを導入し、それまで不可能といわれていた0.01秒単位の時計を開発しました。
そして1964年に、「クラウン クロノグラフ」を発表しました。国産腕時計でも初のクロノグラフを搭載した腕時計でした。

1969年には、垂直クラッチとピラーホイールを組み合わせた機構を開発。
この機構を搭載した世界初の自動巻きクロノグラフ構造を採用しました。

1960年代の開発史の象徴であるスピードタイマーは、クロノグラフの技術基盤を固めました。
その後は、スピードタイマーの名がついた時計は誕生せず、プロスペックスから新生「SPEEDTIMER」が2021年に登場しました。

スピードタイマーの特徴
スピードタイマーは、アスリートの熱い瞬間を支え続けてきた”スポーツ”を象徴する魅力的なシリーズです。

モータースポーツや陸上競技の公式時計にも採用された技術を受け継ぎ、計器としての側面を強くもつ腕時計。
スポーツの現場で活用できるストップウォッチ性能は、クロノグラフの本質を突き詰め、時間を正確に刻みます。
搭載されるムーブメントは、自動巻き、ソーラーGPSと多岐にわたり、それぞれのライフスタイルに寄り添う機能を備えています。
【スピードタイマー 代表モデル】
・自動巻き 三針

・自動巻き クロノグラフ

・GPSソーラー クロノグラフ

・ソーラークロノグラフ

スピードタイマーは、日本の時計技術と挑戦の歴史を腕元で感じられる一本。
初めての本格クロノグラフとして、自信を持っておすすめできるモデルです。
登山家のために誕生した「アルピニスト(Alpinist)」
アルピニストの歴史
アルピニストは、1959年に登山用腕時計として誕生した歴史あるシリーズです。
当時の日本では、登山やハイキングへの関心が高まり、高い耐久性や精度が時計に求められました。

日本にトレッキングや登山のブームが到来したことから登山用の時計をSEIKOが開発。
日本初の本格スポーツウォッチで、過酷な環境下での精度維持と視認性確保を追求し、登山家や自然愛好家たちから信頼されました。
初代アルピニストで「ローレルアルピニスト」が登場。
1913年に発売された国産初の腕時計「ローレル」の名前が受け継がれています。

アルピニストは山岳環境やアウトドアを想定し、優れた耐久性と防水性能を備えています。
埃や砂が入り込まないようスクリューバックを備えるなど、当時としてはかなりタフな構造でした。
時分針と全てのインデックスに夜光塗料を塗布し、3時、6時、9時、12時位置のインデックスを大きなくさび型の形でした。視認性の高いレイアウトが特徴的です。

SEIKOの機能追求の姿勢が、のちのダイバーズウォッチの開発へと繋がっています。
アルピニストは1960年代まで発売されましたが、その後一時的に生産が中止されます。
時を経て、1995年に文字盤が緑色のアルピニストが登場。
「セイコーでは緑色のダイヤルの時計はあまり売れない」という定説を覆し、歳月を経た今でも一定の売り上げを保ち続けています。

2006年には、1995年版より一回りケースサイズが大きくなってリニューアルしたアルピニストが登場します。

2018年に再び一時生産終了となっていましたが、2020年にプロスペックスのなかで復活を遂げます。
古き良きデザインと風格を兼ね備える魅力的な時計といえます。
アルピニストの特徴
SEIKOプロスペックスのなかでも、”山”を象徴するシリーズ。
アルピニストは、時計の見やすさと堅牢性を重視した設計が大きな特徴です。

方位計付きのインナーベゼルや高い防水性は、登山路での方向確認に役立ちます。
日常生活においても、衝撃や水濡れ対策ができ、幅広いシーンで着用が可能。
登山家に向けて設計されたシリーズは、日常生活や自然のなかでも映える万能な時計です。
【アルピニスト 代表モデル】
・自動巻き

現行モデルのアルピニストは、1959年に誕生した初代モデルの登山時計としてDNAを受け継いだデザイン。
クラシックなデザインをベースに、約72時間のロングパワーリザーブを実現し、機能性・耐久性・実用性を高めた仕様です。
まとめ
SEIKOプロスペックスは、常に冒険者やプロフェッショナルの声に応え、時計の限界を押し広げてきた歩みそのものであることがわかりました。
1965年の国産初ダイバーズから始まり、アルピニスト、スピードタイマー、ダイバースキューバ、マリンマスターなど多彩なシリーズが生まれました。
これからも時計の歴史に、SEIKOプロスペックスは進化を続けていくことでしょう。
SEIKO(セイコー)プロスペックス取り扱い店「ブルージュ一真堂」

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