ブライトリングのフラッグシップシリーズとして不動の人気を誇るクロノマット。
傑作クロノグラフとして、ナビタイマーと並んでブランドを代表するシリーズのひとつです。
スイス時計のなかでも、スポーツラグジュアリーウォッチとして、ひとつのステータスシンボルの地位を確立しています。

誕生から40年以上の時を経てなお愛されるクロノマットの魅力とは、どんなところにあるのでしょうか。
今回は、クロノマットの人気の理由とルーツに迫ります。
目次
クロノマット人気の理由①:一目でクロノマットとわかるデザイン
クロノマットが人気を集める大きな理由の一つ目には、何よりもまずそのデザインが挙げられます。
ラグジュアリーかつスポーティ、そして、一目でクロノマットとわかる洗練されたデザインは、いくつかのアイコニックな特徴が組み合わさってできています。
今回はその中から2つのポイントに絞って見ていきましょう。
⑴ ライダータブ付きベゼル
ライダータブとは、ベゼルにある15分ごとの4つのつまみ(タブ)を指します。

このパーツは、
①パイロットがグローブをしたままでもベゼルの操作がしやすいように
②コックピット内での作業時、ぶつけてもガラスが割れないよう保護するため
③視認性を高めるため
といった複数の理由から考案されました。

ライダータブは、機能的な意義を持ちあわせる一方、デザインとしてもクロノマットらしい力強さを感じさせるパーツです。
ベゼルや全体のシルエットにメリハリが生まれ、精悍な印象を引き立てています。
無駄な装飾でなく、「機能美」に裏打ちされたデザインこそ、クロノマットの魅力です。

▶ 現行のブライトリングにはライダータブを備えるシリーズがもう一つあります。ご存じですか……?
⑵ルーローブレス
ライダータブと並んで1984年のクロノマットから続くもう一つの特徴が、「ルーローブレス」です。

「ルーロー(Rouleaux)」とは、フランス語で「筒」を意味します。
ルーローブレスはその名の通り、筒状のパーツにより構成される、クロノマット特有のブレスレットを指します。
筒状の形状は着用感に優れ、常にストレスフリー。
角ばった面が無いため、腕への当たりも優しく、腕の動きに合わせて滑らかにフィットします。
また、デザインとしてはアクセサリーのようにも見え、どの角度からも隙の無い、ラグジュアリーなスタイルを楽しむことができます。
ライダータブと同じくこちらも、実用的かつ見た目も美しい=「機能美」が備わった特徴です。
クロノマットはこうした「機能美」が、一本の時計のなかに幾重にも重なり、優れたデザインになっているのです。
クロノマット人気の理由②:「万能スポーツウォッチ」として━━抜群の性能
クロノマットの人気の秘訣は、デザインのような目に見える部分に限りません。
「万能スポーツウォッチ」としての性能もまた、クロノマットが選ばれる理由になっています。
⑴200ⅿ防水
クロノマットは40㎜以上のモデルは全て200ⅿ防水。
パイロットウォッチとして生まれた時計でありながら、ダイバーズウォッチに匹敵する防水性能の高さを備えています。
風雨をもろともしない安心感、どこへでも着けていける気楽さがクロノマット人気の理由のひとつに挙げられています。
⑵COSC認定クロノメーター
クロノマットを含むブライトリングのすべての時計が、COSC認定クロノメーター。
厳格なテストをクリアした信頼性と高い精度が保証されます。
せっかく一生ものの時計を買うなら、性能や製品の質にもこだわりたい、というユーザーからの強い支持を得ています。
⑶約3日間のパワーリザーブ

自社開発ムーブメント「キャリバーB01を搭載したクロノグラフモデル、 同じく自社開発ムーブメントB31搭載の三針モデルについては、70時間以上のロングパワーリザーブ。
月~金と平日着用し、土日は外していても、週明けまで動き続ける優秀な機械式時計です。
着用する上での手間を感じさせない点で、機械式時計に慣れている人からも、初心者からも支持を獲得しています。
クロノマット人気の理由③:サイズも、カラーも、機能も、幅広い選択肢

実は、現行のブライトリングのなかで最もサイズ展開が豊富なシリーズがクロノマットです。
また、モデル数もナビタイマーと並んで最も多いシリーズとなっています。
幅広いラインナップのなかから、自分にぴったりの一本を選べるのもクロノマットの優れたポイントです。
⑴ クロノマット B01 クロノグラフ 42

コレクションの中心となるのは、ケース径42㎜、自社開発ムーブメントB01搭載のクロノグラフモデル。
モデルチェンジを重ねながらも、傑作クロノグラフとしての系譜を現代に引き継いでいます。

B01モデル特有の、サブダイヤルと文字盤とのツートーンカラーが視認性を高め、また、スポーティな印象。
フラッグシップとしての上品さとパワフルさを兼ね備えたモデルです。
⑵ クロノマット B31 オートマチック 40

シリーズのリニューアルに伴い、2026年5月に発表されたのが、自社開発ムーブメントB31を搭載した三針モデルです。
ブライトリング初の三針ムーブメント「キャリバーB31」 は高精度、ロングパワーリザーブ、そして非常に薄型。
これによりクロノマットらしいシルエットはそのままに、軽く、薄く、シンプルで洗練されたタイムピースに仕上がっています。
⑶クロノマット オートマチック 36

「クロノマット オートマチック 36」はユニセックスに着用できる小径サイズのモデル。
男性にはコンパクトに、女性であれば満足感のあるサイズ感でクロノマットの風格を楽しむことができます。
こちらも2026年にリニューアルされ、都会的でスタイリッシュなデザインに。

きらびやかなコンビネーションのモデルもラインナップしており、注目を集めています。
⑷クロノマット 28

こちらは現行のブライトリング製品のなかで最も小さい、ケース径28㎜のクロノマット。
文字盤にはMOP(マザー・オブ・パール)が使われており、柔らかなカラーリングと相まってフェミニンな印象。
ダイヤインデックスの輝きでラグジュアリーさも忘れていません。
また、小さくなったことで、ルーローブレスのアクセサリー的な魅力も引き立っています。
クロノマットの起源━━二度の誕生
ブランドヒストリーを紐解いてみると、現代に至る系譜の中に、クロノマットの“二度の誕生”を見ることができます。
クロノマットが、現代のフラッグシップシリーズとして位置に至るまでには、二度のきっかけがあったのです。

一度目が、初めて「クロノマット」という名前が使われた、1940年代の初代クロノマットの誕生。
二度目が、近年の機械式時計人気が復活したきっかけとも重なる、1980年代のクロノマットの誕生です。
この二つのターニングポイントに注目して解説していきます。
1. 「数学者のためのクロノグラフ」
「クロノマット」の名前が生まれたのは今から約80年前、1942年のこと。
この名前は、「クロノグラフ(Chronograph)」と「マスマティクス(Mathematics=数学)」を組み合わせたものです。
特筆すべきは、回転計算尺を備えたクロノグラフである点。

単なる腕時計ではなく、計算機としての機能も備えた前例のないクロノグラフは、数学者や専門家の間に瞬く間に広まりました。
クロノマットは、革新的な時計づくりに取り組むブライトリングの姿勢を世間に知らしめるきっかけとなりました。
なお、この「回転計算尺を備えたクロノグラフ」という発想は、その後、1952年のナビタイマーの誕生へと繋がります。

不朽のパイロットウォッチ誕生の陰には、この最初の「クロノマット」の姿があったのです。
▶ パイロットウォッチの傑作「ナビタイマー」についてはこちら!
2.「自動巻きクロノグラフ」として━━ブランドの威信をかけたクロノマット
現行のクロノマットへと直接つながる契機には、「クォーツショック」という時計業界の大変革の影響がありました。

クォーツショック
1960年代の終わり、SEIKOが発表した「クォーツ アストロン」を皮切りに、クォーツ時計の開発が加速。
1970年代になると、市場には安価で高精度・軽量のクォーツ時計が溢れるようになりました。
このあおりを受け、機械式時計の需要は急速に縮小し、スイス時計産業はわずか短期間のうちに危機に瀕しました。
これが、スイス時計ブランドにとっての「暗黒時代」とまで言われるクォーツショックです。

「クロノ・オートマチック」
この危機を打開するため、当時の経営者であったアーネスト・シュナイダーは、新たな腕時計の開発を計画していました。
プロジェクト名は「クロノ・オートマチック」。
クォーツ時計全盛の時代に、あえて重厚かつ堅牢な機械式のクロノグラフを作る、という前代未聞の挑戦でした。

「フレッチェ・トリコーローリ」からクロノマットへ
アーネスト・シュナイダーは、1980年代初頭、イタリアの著名なアクロバット飛行チーム「フレッチェ・トリコローリ」が、新たなパイロット用クロノグラフを探していることを耳にします。
求められていたのは、コックピットでの使用に耐えうる頑丈さと、オフタイムでもエレガントさを失わないデザインを併せ持つ機械式のクロノグラフでした。
これに応え、ブライトリングは1983年、「クロノグラフ フレッチェ・トリコローリ」を開発。

ライダータブやルーローブレスなど、現代のクロノマットにつながる特徴を備えたクロノグラフが誕生しました。
類を見ない革新的なデザインと創意工夫の詰まった腕時計は、大きな反響をおさめます。

そして翌年、この機械式時計の成功を確信したブライトリングは、プロジェクト「クロノ・オートマチック」からとって、名前を「クロノマット」として一般にリリース。
クロノマットは、クォーツショック後としては驚異のヒット作となります。

これをきっかけに機械式時計の人気は再燃。
1984年、ブライトリング100周年を迎える年、クロノマットは、機械式時計のルネサンスの先駆けとして歴史に名を遺したのです。
以降クロノマットはアップグレードを続けながら現在までラインナップし続け、フラッグシップとしてのポジションを不動のものにしました。
▶ 現在のクロノマットは……?2026年のリニューアルの内容についてはこちら!
クロノマットの人気の理由まとめ
ブライトリングを代表するクロノグラフであるクロノマット。
どこへでも着けていける「万能ラグジュアリースポーツウォッチ」として人気を集めています。
そのデザインや性能にはフラッグシップシリーズとしての威信と、40年以上にわたる開発の歴史が表れているのです。
進化を続けるクロノマットの風格をぜひ一度直ご体感ください。
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