真珠(パール)が出来上がるまでの生産・飼育過程を一挙ご紹介!~上村真珠を密着取材~

静かな海に揺れるアコヤ貝。

その一粒から生まれる真珠(パール)は、自然の神秘と人の繊細な技が重なって初めて輝きを放ちます。

こちらの記事では、長崎県壱岐の海で受け継がれる「上村真珠」の養殖現場に密着。

母貝の選別から挿核、育成まで、真珠が出来上がるまでの知られざる工程をわかりやすく紹介します。

母貝の中で育まれる真珠

真珠の輝きの裏にある生産現場を知ることで、アコヤ真珠の価値や魅力がより一層感じられるはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

人工採苗施設

人工採苗施設とは、貝の赤ちゃんを人工的に生産・飼育する施設のことをいいます。

施設内では、アコヤガイの餌となる植物プランクトンの培養室と、稚貝を飼育する場所があります。

上村真珠の優れている点は、稚貝から真珠になるまで一貫して自社で養殖・研究をしています。

人工採苗施設
上村真珠の人工採苗施設

※施設内で写真や動画の撮影が許可されています。

 

植物プランクトンの培養

貝の赤ちゃんに与える餌として、パブロバイソクリシスという2種類の植物プランクトンを培養します。

【植物プランクトンを培養する流れ】

培養はまず小さい容器(約1週間から2週間程度)で開始され、最初は色が薄いが、細胞分裂が進むにつれて増殖し、色が濃くなります。

②その後、2リットルから5リットルのフラスコに移し、最終的には100リットルの縦型丸いタンクで培養します。

③ピーク時には500リットルのプランクトンを生産します。

稚貝の餌(プランクトン)培養

 

稚貝の飼育

稚貝は、成長過程で段階を経て、緑のロープや青い紐など、付着しやすいものにくっついて生活します。

稚貝は黒色であるため、付着しているかどうかの視認性を高めるために、黒以外の色(例:緑、青)の付着物が選ばれます

稚貝が付着しやすいような工夫

 

このため、黒以外の色の付着物(緑のロープや青い紐など)を使用することで、稚貝が付着していることを容易に確認できるように工夫されています。

 

 

貝の成長過程と管理

つづいて、貝の受精卵から海に出すまでの成長過程と、それぞれの段階での特徴や管理方法について説明します。

 

【貝の成長過程】

 ①受精後1〜2時間で分裂が始まります。

②24時間後にはD型幼生(アルファベットのDに似ており、丁番部分がまっすぐ)となります。

③1週間から10日で丁番部分が丸みを帯びます。

稚貝に眼点が出現する

餌を与えることで体内の色が濃くなり、餌を食べていないと透明になります。

⑤2週間後には眼点(色素点)が現れ、生活様式が変化する合図。

稚貝の成長過程の画像

⑥足が発達し、移動しながら餌を取るようになります。

稚貝の成長過程で足がでるところ

⑦エラが発達し、1mm程度の大きさで海に出します。

⑧14tタンクで管理し、餌の消費量が多くなり餌が間に合わなくなるため、海に出します。

稚貝をタンクで育てる様子

⑨海に出した後は管理課で成長管理を行います。

また、稚貝から海に入るまでは大体6か月ぐらいの期間を要するといわれています。

 

【成長段階で注意するポイント】 

・成長段階で調子が悪くなりやすい時期があるので注意が必要です。

・海に出すことで、多様な種類の餌から様々な栄養素を取り込めるようになります。

・1mm未満の貝が漏れないような網を使用する場合があります。

顕微鏡から稚貝をみた様子

 

 

真珠の色の選別

親貝の選別は真珠の品質に直結するため、色目や品質を厳しくチェックし、良い珠ができるように努めています。

採卵時期は1月から7月までで、この期間に施設が稼働します。

他所から集めると色や品質にばらつきが出ますが、自社一貫体制では揃った真珠ができるのは、上村真珠の優れているところです

長崎県壱岐の半城湾に属する上村真珠
長崎県壱岐の半城湾に属する上村真珠

 

親貝の選別ポイント

 ・親貝は半城湾の海で管理されており、採卵時に色目や品質を見て選別し、良い真珠ができるようにしています。 

・親貝の色目や品質を重視し、選別を行います。

・採卵時期は1月から7月までの間に実施し、適切な時期に作業を行います。

・一貫生産体制を維持し、品質のばらつきを防ぎます。

親貝を選別する人

 

もし、親貝の品質が悪い場合は、他の親貝を選別し直す必要があります。採卵時期を逃した場合は、次のシーズンまで待つこともあります。

上村真珠では、種類や場所によっては全滅するリスクがあることを考慮し、様々な研究を重ねてきました。

結果、親貝の選別は真珠の品質に結びつき、色味や形の整った真珠の生産が実現しています。

色、形、テリの整った真珠

真珠養殖の血統管理・健康リスク・色決定要因

真珠養殖における血統管理と健康問題、ならびに真珠の色や特徴の決定要因について説明します。

真珠には、血統管理の現状や近親交配によるリスク、オス・メスの血統の特徴、真珠の色や巻きの決定要因などについて、一緒にみていきましょう。

真珠の成長過程

①血統管理と健康問題

1) 近親交配による健康リスク

 近い血統同士を掛け合わせると、体の弱い個体が出やすくなるという懸念があります。実際、近親交配による弱い子供の発生例が挙げられました。

上村真珠では、親飼いの系統を把握していますが、他で良い個体が出た場合、その親飼いの詳細が分からないことが多いとのことです。

 

 

2) オス・メスの血統と特徴

  オスが国産で、メスがアラブ産といった血統の組み合わせを行っています。上村真珠では、アラブの貝を取り入れていますが、これ以上の情報は企業秘密でした。

 親貝

 

②真珠の色・特徴の決定要因

 色の違いは親貝の違いによって、特徴が出るといわれています。

上村真珠では、出来上がった真珠の色の違いについて、色は細胞」母貝は巻き」で決めます。

細胞を母貝に入れることで、色は細胞、巻は母貝が影響し、真珠の色味に違いが現れます。

 

こちらの記事で紹介した上村真珠は、品質が高く認められ、様々な賞を受賞しています。

以下、受賞についての詳細です。

〈上村真珠の主な受賞歴〉

昭和53年 農林水產大臣賞

昭和54年 農林水產大臣賞

昭和55年 水産庁長官賞

昭和58年 水産庁長官賞

平成8年 水産庁長官賞

平成9年 水産庁長官賞

平成10年 水産庁長官賞

平成11年 水産庁長官賞

平成12年農林水産大臣賞

平成15年水産庁長官賞

平成18年農林水産大臣賞

平成19年農林水産大臣賞

平成20年農林水産大臣賞

平成20年水産庁長官賞(全国花珠真珠品評会)

平成25年 水産庁長官賞(全国花珠真珠品評会)

最高峰のテリが整った真珠

 

上村真珠の真珠は色、形、テリといった品質の良さは全国でもその名を刻んでいます。

まとめ

真珠が出来上がるまでの生産と飼育過程をこちらの記事でご紹介しました。

上村真珠では、稚貝から真珠になるまでを一貫して自社で養殖しています。稚貝や母貝の育成に力を入れていることが、こちらの記事でわかりましたね。

上村真珠の石像

一真堂では地域一番の宝飾店として、長崎県壱岐の上村真珠から綺麗な真珠を仕入れています。

なかでも、一真堂オリジナルブランドの優花真珠は、上村真珠でつくられた無調色で色味が統一された高品質のパールネックレスです。

高品質で綺麗な真珠をぜひ、一度店頭にてご確認ください。

 

優花真珠

 

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希望のご予算や好みに応じてよりラインナップを充実させてご覧いただけるようにできます。

一真堂の店内を案内する店員

 

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店舗情報

ブルージュ一真堂

ブライダルリング専門店のブルージュ一真堂

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〒381-0034
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営業時間 11:00∼19:00
お問い合わせ:026-263-5550
HP:https://1sd-bridal-nagano.jp/

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一真堂 松本渚店

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一真堂 飯田本店

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