機械式時計を購入する時、ブランド、デザイン、カラー、ケースサイズなど比較する要素が数多くあります。当然「スペック」についても比較・検討の対象になりますが、スペックの一つに「パワーリザーブ」があります。
この記事では「パワーリザーブの基礎知識」から「踏み込んだ知識」、「ライフスタイル別のおすすめパワーリザーブ」を時計業界に20年以上携わってきた筆者の経験をもとに紹介します。
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目次
パワーリザーブとは?
パワーリザーブとは、一言でいうと「機械式時計が動き続ける時間」です。
機械式時計は”自動巻き時計”と”手巻き時計”のどちらも「巻き上げたゼンマイがほどける力」を動力として、時を刻んでいます。このゼンマイをフルに巻き上げた状態から時計が止まるまでの時間を、時計業界では「パワーリザーブ」と呼びます。
※注意 :パワーリザーブはあくまで、時計が動き続ける時間の目安です。その時間内の「精度」を保証するものではありません。
パワーリザーブは日常生活にどう影響する?
「機械式時計が動き続ける時間」であるパワーリザーブですが、”自動巻き時計”と”手巻き時計”では、私たちの日常生活で影響する場面がやや異なります。
自動巻き時計の場合
「仕事中は毎日、腕時計を着用する」場合、パワーリザーブを意識するのは”時計を着用しない週末”です。
着用中の平日は「ローターによる巻き上げ」によってゼンマイを巻き上げているので、基本的に時計が止まる心配はありません。一方、週末に時計を着用しない場合、一般的な40時間程のパワーリザーブだと月曜日の朝には時計が止まっているか、止まる寸前でしょう。
手巻き時計の場合
手巻き時計は時計内部にローターが存在しないため、着用中にゼンマイは巻き上がりません。そのため、パワーリザーブの長さによって「毎日、手巻きをおこなう」か「二日に1回、手巻きをおこなう」のサイクルが変わってきます。
パワーリザーブとロングパワーリザーブ
パワーリザーブの時間はブランドやモデルによって様々なので、下記に代表的な時間をまとめます。
・40時間前後
さまざまなモデルで使用されている汎用ムーブメントに多いのが、40時間前後のパワーリザーブです。週末、時計を使用しないと月曜日には止まっていることが多いので、巻き上げが必要になります。
【おすすめモデル】
・50~60時間前後
一般的な40時間よりやや長いですが、それでも土日に着けていないと精度が安定せず時刻にズレが生じている可能性があります。
【おすすめモデル】
・70時間前後
70時間を超えると一般的に「ロングパワーリザーブ」に分類されます。週末に時計を着けていなくても月曜日の朝、時刻合わせや巻き上げの手間なくスムーズに着用できるのは、70時間以上のパワーリザーブからです。
【おすすめモデル】
・80時間前後
3日以上のパワーリザーブを備える、高スペックモデルです。
【おすすめモデル】
タグ・ホイヤー「カレラ クロノグラフ エクストリームスポーツ」
・5デイズ以上
5日間以上のパワーリザーブを備えるモデルは稀です。特殊なコンセプトで設計されたモデルが主となります。
【おすすめモデル】
パワーリザーブインジケーターとは?
通常の腕時計は”ゼンマイの巻き残量”を目視することはできませんが、文字盤上、または裏蓋からゼンマイの巻き残量を確認できるモデルがあります。それが「パワーリザーブインジケーター」機構です。
パワーリザーブを目視できる利便性だけでなく、手巻きをすることでゲージが動いていく様子が、時計愛好家の心をくすぐるユニークな機構です。
ライフスタイル別のおすすめパワーリザーブ
ここで、20年以上時計業界に携わってきた筆者から、ライフスタイル別のおすすめパワーリザーブを紹介します。時計選びの参考にしてください。
・平日着用 & 時計の操作も楽しみたい人は「40~50時間」
念願の機械式時計。「リューズを巻き上げる感触も楽しい」と感じる人は、その作業すら愛おしいものです。必ずしも長いパワーリザーブを選ぶ必要はなく、巻き上げや時間を合わせる作業も楽しんでください。
・平日着用 & 時計に手をかけたくない人は「60時間以上」
忙しいビジネスパーソンは朝の出勤準備もバタバタするもの。月曜日の朝に「巻き上げや時間合わせをするのは煩わしい」と感じる人は、60時間以上のパワーリザーブを選んで、朝の手間を減らしましょう。
・最高峰のスペックを堪能したい人は「80時間以上」
80時間以上のパワーリザーブを備えたモデルは、各ブランドの中でも高スペックモデルに属します。時計仲間に自慢できるスペックを求めるなら、パワーリザーブも気にしてみてはいかがでしょう?
・週末のみ着用する人は「パワーリザーブを気にする必要なし」
「仕事中は腕時計を着けないので、週末だけ」という人は、基本的にパワーリザーブを気にする必要はありません。パワーリザーブの長さよりも心躍るデザインや、その他の機構などを優先しましょう。
・複数本所有している愛好家は「ワインディングマシーン」の検討を
日替わりでコレクションを楽しみたい方は、ワインディングマシーン(ウォッチワインダー)の活用がおすすめです。これなら日替わりで複数の時計を使用しても、ワインディングマシーンが保管中も最適な状態で巻き上げをおこない、いつでも着用できる状態をキープしてくれます。
パワーリザーブの注意点
パワーリザーブについて解説してきましたが、ここでパワーリザーブに関する誤解や使用上の注意点に触れておきます。
・パワーリザーブは精度を保証するものではない
機械式時計の精度は、ゼンマイがフルに巻き上げられた状態を前提としています。ゼンマイがほどけていくほど、ゼンマイのトルクは下がっていくので精度も保てなくなります。
・着用中の動きが少なければ、自動巻きでも巻き上げ不十分なことも
毎日使用している場合でも「会社に着いたら、時計はデスクの上に置きっぱなし」という状況では、当然ゼンマイは巻き上がりません。このようなケースでは、1日に1回はリューズでゼンマイを巻き上げることをおすすめします。
・過度なリューズの巻き上げに注意(自動巻き)
巻き上げる感触が楽しくても、必要以上にリューズを巻き上げるのはやめましょう。内部パーツの不要な摩耗につながります。自動巻きであれば40~50回巻き上げれば、精度を保つのに十分な巻き残量まで巻き上がります。
・ゼンマイの巻き切れに注意(手巻き)

手巻き時計には、これ以上巻けないという「巻き止まり」があります。この状態でさらに力を入れて巻くと、ガリッという音とともにゼンマイが切れ、オーバーホールが必要な事態になりかねませんので注意してください。巻き上げは1日1回で十分。ゼンマイは巻き上がるにつれてリューズの感触が重くなるので、ゆっくり巻けば巻き止まりも察知できます。
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